「上腕二頭筋や上腕三頭筋は聞いたことあるし知ってるけど上腕一頭筋ってあるの?あるとしたらどの位置にあるの?」
そんなことを考えたことはありませんか?
今回は上腕一頭筋の正体に迫っていきたいと思います。
まずは押さえておきたい簡単な筋肉の知識から見ていきましょう。
上腕一頭筋の謎:人間の筋肉は600個以上存在する
人間の筋肉は大小関わらず数えると600個以上存在しています。
かなり多いですよね。
筋肉の種類に関しては、横紋筋と平滑筋の2種類があります。
横紋筋とは横縞模様の見た目を持つ筋肉で
平滑筋はそれがない筋肉のことを言います。
そして横紋筋には骨格筋と心筋という2種類があります。
骨格筋は骨格筋は骨格を動かす筋肉で自分の意思で動かせる筋肉のこと。
心筋は心臓を動かす筋肉のことです。
平滑筋は血管や胃や消化管など内臓にある筋肉で自分の意思で動かせない筋肉のことです。
一般的に筋肉を説明するときには骨格筋、心筋、平滑筋の3つで説明される場合もあります。
そして先ほどもちらっと述べていますが、
自らの意思で動かすことのできる骨格筋のことを随意筋、
自分ではコントロールできない筋肉のことを不随意筋といいます。
これらの関係を図で表すとこんな感じです。
筋肉はこのように分類することができます。
筋肉は破壊と回復で成長する
筋肉というのはトレーニングなどによってカラダに負荷をかけると筋肉が破壊されます。
これを筋破壊と呼びますが、カラダの一部が筋破壊を起こすと、今度は破壊された筋肉を回復させようとカラダが働きます。
その時に必要十分な栄養(タンパク質など)と休息を取ることで、
筋破壊が起こる前よりも大きな筋肉を作ることができます。
回復時のことを超回復をいいます。
このような筋破壊と超回復を繰り返すことで筋肉は成長していきます。
したがって、
筋トレは毎日行うよりも超回復のために一定時間は休んだ方が良いですし、その間にタンパク質を多く含んだプロテインを飲むことで効率良く筋肉を大きくすることができます。
筋肉はカラダを動かすだけじゃない?意外な筋肉の役割
筋肉の役割はカラダを動かすことだけではありません。
実は意外なことに使われてたりします。
ここでは筋肉の役割について話をしていきます。
筋肉の役割① カラダを動かす
これはみなさんご存知だと思います。
筋肉が伸び縮みすることで腕や足や首などあらゆる場所を思い通りに動かすことができます。
立ったり、座ったり、食べ物を食べたり飲んだりするといった日常動作を可能にしているのはまさしく筋肉のおかげですね。
筋肉の役割② 血液を心臓に送り返すポンプ機能
血液は心臓によってカラダの隅々まで流れることで
カラダに必要な酸素や栄養を運び二酸化炭素を回収する働きを持っています。
そしてその血液をさらに心臓に送り返す必要があるのですが、
その役割を担うのが筋肉です。
特に心臓から遠い足などは、
他の部位に比べて、より強い力で送り返す必要があります。
有酸素運動がカラダに良いと言われている1つの理由は足の筋肉が伸び縮みすることで効率良く血液を心臓に送り返すことができるからです。
筋肉の役割③ 衝撃からカラダを守る
歩いたり走ったりジャンプする運動は本来であれば、膝や足首といった関節に直接衝撃を与えます。
ですが、筋肉がその衝撃をクッションのように吸収してくれることで骨や関節の負担を軽減し守ってくれます。
筋肉の役割④ 体温調節
人間は恒温動物のため一定の体温をキープしないと生きていけません。
人間の体温は36度~37度を維持していますが、外の気温より高いことが多いです。
ではなぜ体温をキープできているのかというと筋肉が熱を発生させているからです。
以上が筋肉の役割でした。
意外と知らなかったこともあったのではないでしょうか?
以上、筋肉の基礎知識をメインに
ここからは本来のテーマだった上腕一頭筋の正体について見ていきましょう。
「上腕一頭筋」の場所について
上腕一頭筋とは一体どこに存在しているのでしょうか?
実を言うと、上腕一頭筋は存在しません。
存在はしていませんが、視点を変えれば存在してると言うこともできます。
「どっちだよ!!」
と思うかもしれませんが、続きを読んでいただければ納得出来ると思います。
そのためにまずは、二頭筋や三頭筋など、
数字がついた名前の筋肉について考えてみましょう。
数字がついた名前の筋肉は全部で3つ
600個ある筋肉の中で数字が入る筋肉は何個あるかわかりますか?
実は3つ存在しています。
それがこちら。
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
- 大腿四頭筋
この3つの筋肉にだけ数字に名前が付けられています。
一体なぜでしょうか?
それは筋頭というものを知ると理解できるようになります。
なぜ筋肉に数字がつくのか?
なぜこの3つの筋肉の名前だけに数字がついているのかというと、筋頭を複数持っている多頭筋だからです。
「筋頭」とは筋肉の両端の内、起始部の位置にあるものです。
言葉では判りにくいのでこちらの図を見てください。
出典:きゅうの独り言
この画像にある3つの筋肉の上側がそれぞれ枝分かれになっていると思いますがこれが筋頭と呼ばれるものです。
2つに分かれていれば二頭筋
3つに分かれていれば三頭筋
4つに分かれていれば四頭筋
となります。
上腕二頭筋は長頭、短頭を含んだもの。
上腕三頭筋は、長頭、内側頭、外側頭という3つの筋頭を含んだもの。
大腿四頭筋には、大腿直筋、外側広筋、内側筋肉、中間広筋という4つの筋頭を含んだものになります。
このように複数の筋頭を持つ筋肉を多頭筋といい、
二頭筋や三頭筋といったように数字をつけて呼んでいます。
一頭筋の筋肉もあるけど一頭筋とは呼ばない
筋頭が1つの場合には一頭筋と呼ぶ事もできそうですが、実際の所、そのような筋肉の呼び方をすることはありません。
そもそも筋頭が1つであれば、わざわざ一頭筋と名前をつける必要もありませんからね。
したがって結論としては、
筋頭が1つの場合、一頭筋と言えますが、そのような呼び方をする筋肉はありません。
したがって上腕一頭筋も存在しません。
という形になります。
筋肉に関するプチ情報、面白情報
ここからは筋肉に関するプチ情報や面白情報を紹介します。
① 一番大きい筋肉
一番大きい筋肉と言われているのが
太ももの前側にある大腿四頭筋という筋肉です。
大腿四頭筋は膝を伸ばす時に使われる筋肉で、
ジャンプ力を高めたい時には、この筋肉を鍛えると効果的なものです。
大腿四頭筋は大きな筋肉のため、
弱まると基礎代謝が落ちてしまいます。
そのため、免疫が落ちたり、太りやすい体質になってしまいます。
スクワットなどの大腿四頭筋を鍛える筋トレをすることで
基礎代謝が上がり、痩せ体質になるために効果的です。
② 一番小さい筋肉
一番大きい筋肉に対して、一番小さい筋肉は耳の中にある、あぶみ筋という筋肉です。
あぶみ筋はたったの3ミリしかない筋肉らしいのですが、
その小さな筋肉が鼓膜と同じように耳の入ってくる音の調節してくれるみたいです。
人間の体はスゴイですよね。
③ 一番強い筋肉
600個の筋肉の中で一番強い筋肉はどこか知っているでしょうか?
実は舌なんです。
ピンとこない方は、モノを噛む力の筋肉と聞くと納得できるかもしれません。
決して、太ももやお尻のような大きい筋肉ではありません。
そこまで大きくない筋肉のはずなのに、
どこからそんな力が湧いてくるのでしょうか?
不思議ですね。
④ マッスルメモリー
マッスルメモリーという言葉を聞いたことはあるでしょうか?
マッスルメモリーとはトレーニングなどによって筋肉を大きくした後に、トレーニングをサボると筋肉は小さくなっていきます。
ですが、再びトレーニングを開始すると前の筋肉の大きさを記憶しているために、すぐに以前の筋肉量に戻ることができます。
元々何もしていない人が同じ量のトレーニングをしてもすぐには大きくならないそうです。
スポーツ選手が現役を引退してもあまり体格が変わらないなと思っていましたが、マッスルメモリーも関係しているのかもしれませんね。
そういう意味では、一度マッチョな体に鍛えて、
その状態をメモリーさせておくことは良いことかもしれませんね。
上腕一頭筋の謎:筋肉の仕組みと役割 まとめ
上腕一頭筋をキッカケに筋肉についての基礎知識やプチ情報などを紹介しました。
上腕一頭筋は残念ながら存在しませんが、筋肉の役割を理解して運動をするとより健康意識が高まるかもしれません。