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スズメは本当に愛らしい生き物です。

 

特にひな鳥は親鳥なしで生きていけない弱い存在で、

人の母性本能を刺激し「助けてあげたい」と思わせます。

 

巣から落ちたひな鳥を見かけたことはありませんか?
私は家族とキャンプをしているときに、巣から落ちたスズメのひな鳥を見つけたことがあります。

 

しかし残念なことに…

その子はもう冷たく硬直していたので、管理人に伝え手厚く葬ってもらいました。

 

もし、その子が元気にピヨピヨと鳴いていたら…

きっと私もどうして良いかわからず、困っていたと思います。

 

これがキャンプ中でなく家に帰宅する最中だったら、

「危ないからとりあえず保護しよう」と家に連れて帰ったかもしれません。

 

しかし、思っている以上に「保護をする」のは難しいのです。

ひな鳥は人と関わることで、その後の生き方を大きく変えます。

 

公益財団法人:日本野鳥の会も「ヒナを拾わないで!」と呼びかけており、

それを拡散する一環で、今回はひな鳥を保護する前に確認するべき項目をまとめました。

それって本当にスズメのSOS?

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スズメの子育てシーズンは3月~9月。

5日ほど1日1つの卵を産み、その卵を10~14日間温めるのです。

孵ったひな鳥は約2週間で巣立ちをはじめます。

巣から落ちて巣立ちする

スズメのひな鳥は巣から出るまで飛ぶ練習をしません。

巣から落ちてから飛びはじめるのです。

 

私が見つけた、巣から落ちたひな鳥は飛ぶ練習をしていたのですね。

 

巣立ちをした後も、ひな鳥が自立するまでは親鳥が餌を取ってきます。

この時に偶然見つけた人が「大変だ!親鳥がいない!」と手出しするのは、スズメにとって迷惑なのです。

 

家に連れて帰って保護するというのは、スズメの親子にとって誘拐と同じ。

周囲の状況やひな鳥の状態をよく観察して、保護をする前に見極める必要があります。

ショック死することがある

人に慣れていないスズメにとって、人と関わるのは大変なストレスです。

 

ひな鳥の場合、健康な子でも人に掴まれたショックで死んでしまうことがあり、

野鳥を保護してる最中のよくある事故として、ショック死があげられます。

 

そのような悲劇を避けるためにも、

ひな鳥に触れるときは、刺激しないように細心の注意を払う必要があります。

 

また、触れる際は必ず使い捨ての手袋を着用してください。

 

スズメは人に害を及ぼす菌を持っていますし、

人に触れたのが原因で、スズメが感染症を起こすケースも考えられます。

人の力で、ひな鳥は弱くなる

これは保護したひな鳥を野生に返した後の話です。

 

スズメのひな鳥は親鳥から生きるすべを学ぶのですが、

人が保護した瞬間にこの勉強期間は失われてしまいます。

 

・危険なもの

・自分にとっての天敵

・食べられるものと毒になるもの

これらを知らぬまま、野鳥として生きなければならないのです。

 

動物は人に保護されることで安心感を覚えますが、

これを言い換えると、野生の中で生きるのに必要な「知識」と「緊張感」を奪うということです。

スズメの無断保護・飼育は違法です!

保護したあとにペットとして飼い続けられれば良いのですが、それは法律で禁止されています。

また、30日以上無断で保護をするのも飼育に当たり、罰則の対象となります。

 

スズメに限らず、鳥獣および鳥類の卵を捕獲・採取・損傷することは、『鳥獣保護法第8条』で禁じています。

もし、違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。

鳥獣の勝手な飼育や捕獲は、生態系のバランスが崩れる危険性があるのです。

例えば、勝手な飼育の結果、その鳥獣のエサ(天敵)になる生物が増殖しすぎてしまったり、ペットとして人気が出た結果、乱獲され絶滅に追い込まれたりなど…。

https://keiji-pro.com/magazine/87/

メジロの違法飼育により、愛鳥家が愛知県警に書類送検された事例があります。

鳴き声が美しいメジロは数百万の値で取引されているということです。

 

メジロなどの野鳥を違法飼育していたとして、愛知県警が鳥獣保護法違反(未登録飼養)の疑いで、県内の愛好家22人の自宅などを捜索し、野鳥約350羽を押収したことが3月13日にわかりました。

県警は既に愛好家の一部を書類送検しており、全員を順次書類送検する方針とのことです。

https://legalus.jp/others/general/ed-1639

2018年にはタレントのモト冬樹さんがスズメを保護していたことで話題になり、

それについてネットでも議論が交わされました。

 

モト冬樹さんは保護した2日後に都内の環境局に届け出ていますが、

8ヶ月に及ぶ長期間の保護が「飼育」と判断されたのでしょう。

 

 そしてついに「東京都がうちに『違法ですよ』という書面を送って下さったのが先週」と、都から通知が届いたことを明かし、これで明確に違法だと認識したという。

https://www.daily.co.jp/gossip/2018/03/13/0011063683.shtml

保護する前に必ず連絡を

モト冬樹さんの素晴らしいところは、保護する際に保護団体に連絡をしているところです。

 

普段よく目にするスズメは馴染みのある動物ですが、

意外と私たちはスズメのことを知らないのです。

 

保護する際はプロに的確な判断をお願いして、指示に従ってください。

 

また、野生鳥獣保護窓口はお住いの都道府県によって異なっています。

よくご確認の上でご連絡をお願いします。

http://www.vets.ne.jp/wild/pc/

スズメSOSを見極める

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人間とスズメのお互いにとって「保護」というのはハイリスク・ハイリターン。

安易にやってはいけないのです。

 

スズメの親子のために私たちができることは無いのでしょうか?

 

私たち人間には、スズメにはない大きな体と考える力があります。

それを活かすように心がければ、これ以上ない大きな助けになるはずです。

危ない場所から避難させる

スズメのひな鳥と遭遇した場面によって、私たちが取るべき行動は変わってきます。

シチュエーションごとに対処法を考えてみましょう。

歩道に面した場所に落ちている

周りに人がいると親鳥が近づけないので、ひな鳥はいつまでも危険なままです。

できるだけ近場の人がいないところに避難させてください。

避難させることで人に踏まれる可能性も回避できます。

 

ひな鳥が草むらの中に隠れてしまっても、

親鳥はひな鳥の鳴き声で居場所を突き止めることが可能です。

周りに猫やカラスがいる場合

スズメのひな鳥には触れず、脅威となる動物を追い払うようにしてください。

追い払ったあとはひな鳥から距離を取って、なるべく遠くから見守ってください。

軽いケガをしていたら

野生の動物は強いものです。

多少のケガでも、完治させて野生の中で生きていけます。

 

ひな鳥に触れない範囲でできることをしてあげてください。

ケガを治すことは無理でも、その場の危険を排除してひな鳥を守ることができます。

 

どうしても心配でしたら、日本野鳥の会(自然保護室)に連絡をして指示を仰いでください。

 

野鳥の保護や調査研究について(自然保護室)
03-5436-2633  E-mail:hogo@wbsj.org

意識がない・大ケガをしてる場合は速やかに保護

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・大量出血

・意識がなく弱々しい呼吸をしている

・明らかに骨折しているように見受けられる

 

このように、一刻も早い手当てが求められる場合は保護します。

人間に当てはめると、急病人が出て救急車を呼ぶのと同じですね。

 

このような重症ひな鳥を発見した場合は、真っ先に獣医へ連れていきましょう。

手当てが遅れれば命取りになってしまいます。

 

その後、野生鳥獣保護窓口に届け出をして、正しい保護の仕方を教わってください。

 

簡単にですが、スズメのひな鳥を保護する飼育箱の作り方をまとめておきます。

フタができる、体の大きさに適した箱に入れる。

素材選び

・入手が簡単。

・保温性がある。

・通気用の小さい穴をあける必要がある。

・硬い素材だとケガをしてしまうリスクが上がる。

以上の理由からダンボール箱を使うのが好ましいです。

 

フタをする理由は落ち着くから。

外が見えてしまうと無理に出ようとして暴れてしまいます。

 

そのため通気用の穴は、立ったときの目線より下の位置に、3ミリ程度の穴を少しだけ開けます。

箱の高さ

床にはワラや新聞紙を厚く敷き詰めます。

その状態で立ったときに頭が触れない程度が好ましいです。

天井が高すぎると元気になったときにピョンピョンと跳ねてしまいます。

箱の大きさ

温度管理のためにタオルを巻いたペットボトルの湯たんぽを入れるので、

そのスペースを確保してください。

25~30℃に保温する。

飼育箱の中にペットボトルの湯たんぽを入れるか、使い捨てカイロを箱の外側において保温します。

使い捨てカイロは発熱中に大量の酸素が必要になるので、箱の中に入れるとひな鳥が酸欠を起こしてしまいます。

 

また、必ず一定の温度を保つよう、小まめに温度チェックをしてください。

激しい温度差はひな鳥の体力を奪います。

 

厚手の布を箱に被せると、保温性が上がり光が入りにくくなるのでおススメです。

通気用の穴をふさがないように気を付けてください。

餌やりについて

スズメのひな鳥は3時間食事をしないと死んでしまいます。

かならず2時間に1回は食事を与えてください。

 

与える餌はひな鳥の状況によって変わってきますので、

野生鳥獣窓口や獣医の指示を受けてください。

安静にする。

餌やりのタイミングで必要なことは全て行います。

 

・ひな鳥の観察

・巣箱の掃除と温度チェック

・湯たんぽのお湯を入れ替える

 

不必要にひな鳥を刺激しないでくださいね。
ストレスを与えないよう、そっとしておくのも大切なことです。

スズメSOS:まとめ

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スズメを保護するのは大変すばらしい行動ですが、

一歩間違えるとエゴになってしまいます。

 

自分の子供が突然いなくなったら親鳥も深く悲しむでしょう。

 

保護してる間に愛着がわいてしまい、

いざというときに別れられなくなる人も多いのですが、

それは保護されたスズメにも言えることだと思います。

 

保護するか迷ったら、必ずプロに相談して適切な指示を受けてください。

 

決して「可愛いから」という理由だけでスズメを連れて帰らないでくださいね。

人の手でスズメのひな鳥を育てるのは、専門家ですら難しいことなのです。

 

近場のペットショップには、人間によく懐き、飼うのに適した鳥たちが売られています。

どうしてもスズメが気になっている方は、ペットショップに足を運んでみてください。

惹かれる子に出会えると思いますよ!