現在、不妊治療を行っている方が多く、不妊治療法の一つに「胚移植」というものがあります。

胚移植後、下腹部に鈍痛や違和感を訴える方が多いため「生理がきそう…」とがっかりしてしまうという声が多く聞かれました。

今回は胚移植とは何か?
胚移植後の腹痛はなぜ起こるのか?ということについて解説していきます。

胚移植とは?胚移植後に生理がきそうな人へ

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まずは、胚移植について。

胚移植とは不妊治療の中でも体外受精の方法で、2つあります。

1つ目は初期胚移植で、2つ目が胚盤胞移植です。

初期胚移植

初期胚移植は、受精した胚を採卵から2~3日培養し、分割が進んだのを確認した後、子宮に戻すことを言います。

移植する胚は、最も形態の良い胚から順に行い、もっとも一般的な移植方法で、胚移植のキャンセルも少ないため初めて対外受精を受けられる方におすすめの方法です。

胚盤胞移植

胚盤胞移植とは、初期胚移植で妊娠できなかった場合に行われ、分割胚をさらに培養し、胚盤胞になるまで発育させてから胚移植を行う方法です。

胚盤胞の後期に成長すると、将来胎児になる部分と、胎盤になる部分がはっきりわかるようになってきます。

以前は、培養液の問題で胚盤胞まで培養することは難しかったのですが、最近は医療の進歩もあり、初期胚より妊娠できる可能性が高い胚を選別できるようになっています。

自然妊娠の場合は、卵管で受精した胚は分割を繰り返しながら胚盤胞になる頃に子宮に辿りつくのですが、胚盤胞を移植することで、より自然な着床時期に胚を支給に戻すことができるのです。

ですので、1個の移植胚あたりの着床率は初期胚移植より高くなります。

胚移植後に生理がきそうな腹痛はなに?

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胚移植後に腹痛が起こることが多く、この腹痛によって

「生理がきそうな腹痛…体外受精がうまくいかなかったの?」

「何かの副作用?」

と不安になってしまいますよね。

そこで、ここでは胚移植後の生理がきそうなお腹の痛みの原因は何なのか?ということを解説していきます。
胚移植後の生理がきそうな腹痛の原因は以下の4つになります。

胚移植後の生理がきそうな腹痛の原因1:着床痛

胚移植後の生理がきそうな腹痛の原因の一つに着床痛があります。

基本的に着床すること自体に痛みはないと言われていますが、着床と同時期に様々な体の変化が出てきますので、それに伴って違和感や痛みを感じる可能性があるのです。

腹痛の他に頭痛や吐き気、下腹部の痙攣などを感じる方もおり、これらは黄体ホルモンが関係しているとのこと。

着床が起こる頃に黄体ホルモンがピークに達しますが、妊娠していれば更に黄体ホルモンが増えます。

これは生理時には起こらない変化ですので、この変化が体に様々な影響を与えているのではないかと言われています。

胚移植後の生理がきそうな腹痛の原因2:骨盤内感染症

胚移植後、骨盤内感染症という感染症を起こすことがあります。

採卵や胚移植をする際に使用する専用の機械にごくまれに細菌がついており、それが体内に入ってしまい感染症を起こしてしまうことがあるのです。

その細菌が骨盤内まで広がり、最終的には骨盤内感染症を発症します。

骨盤内感染症の症状は腹痛と発熱が多く、胚移植後、発熱や腹痛があった場合には速やかに受診するようにしましょう。

胚移植後の生理がきそうな腹痛の原因3:子宮外妊娠

胚移植後の生理がきそうな腹痛の原因には子宮外妊娠の可能性も含まれています。

子宮外妊娠とは、受精卵が子宮内膜以外の部分に着床して発育してしまうことですが、子宮外妊娠になってしまうと、卵管を切除しなければいけませんので妊娠を継続するのは困難です。

体外受精をした場合、子宮外妊娠をする確率は1%程度あるということですので、決して珍しい症状ではないことを認識しておきましょう。

子宮外妊娠の症状は腹痛以外にも、低血圧、発汗、膣からの出血、頻脈なども症状もありますので、これらの症状が疑われる場合は速やかに受診するようにしてください。

胚移植後の生理がきそうな腹痛の原因4:卵巣過激症候群

胚移植後の生理がきそうな腹痛の原因の最後として卵巣過激症候群を起こす場合があります。

あまり耳にすることは少ないかもしれませんが、卵巣過激症候群とは、排卵誘発剤などの薬が強すぎて必要以上に卵巣が刺激されてしまい、その副作用で腹痛や吐き気をもよおしてしまう症状のことです。

卵巣が刺激を受けることによって膨らんだり、胸水がたまることで胸が圧迫され痛みを感じたり、腹水がたまり腹痛や吐き気を感じてしまいます。

重症化すると合併症を引き起こす可能性もありますので、早期発見が大切です。

報告されている合併症は主に腎不全血栓症で、どちらも怖い病気なので、少しでも違和感を感じた場合はすぐに受診するようにしましょう。

胚移植後の体調の変化や気をつけること!

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胚移植後の生理がきそうな腹痛も体調の変化と言えますが、他にも胚移植後は様々な体調の変化を感じることがありますので、ここではその変化と胚移植後に気をつけることをご紹介します!

胚移植後は生理がきそうな腹痛以外にどんな体調の変化がある?

胚移植後、受精卵が着床すれば自然妊娠と同じように妊娠の初期症状が現れることがあります。

熱っぽさや倦怠感、吐き気、嘔吐、頭痛など、どれも風邪の症状に似ています。

ここで自己判断し風邪薬を飲むようなことは絶対にNG!

症状が風邪か妊娠なのかわからない場合は、受診し主治医の判断を仰ぎましょう。

妊娠初期というのは、体調が非常にデリケートで多くの方につわりの症状がでますが、全く出ない方もいるなど個人差が大きいです。

ですので、妊娠初期症状だけで妊娠しているかという判断もできませんが、初期症状がないからと妊娠していないということも言いきれないのです。

中には胚移植後、体調に変化がない方もいます!

胚移植後、妊娠初期のような症状が全くないから「妊娠できなかった…」と落ち込んでしまう方も多いかと思いますが、先ほどもご紹介したように妊娠しても初期症状が出ない方も多くいます。

体調の変化が起こらない方の場合は、妊娠していることに気づきにくいもの。

と言って、妊娠できなかったと自己判断せず、規則正しい生活を心掛け、女性ホルモンのバランスが整うような生活をしましょう。

胚移植後、妊娠判定日というものを設けますが、妊娠していればその後の生活について、妊娠していない場合は、原因や今後についての方針を決める機会になります。

妊娠初期症状の有無に関わらず、受診をきちんとし主治医の指示に従うようにしてくださいね。

胚移植後は激しい運動や動きはしないこと!

胚移植後の注意点としては、激しい運動や動きをしないということです。

絶対安静ではなく、通常通りの生活に戻っても構いませんが激しい運動や動きをしないようにしてください。

例えば、ジムに行って運動やプールに入るなどは膣に細菌が入ってしまう危険性が出てきますので絶対に避けましょう。

胚移植後は自分が思っている以上に緊張やストレスが体が疲れており、体力が落ちていると普段より体調がデリケートになりがち。

胚移植後に主治医から生活についての注意点を聞くかと思いますが、しっかり聞いて守ることをおすすめします。

そして、胚移植を行ったということは、全ての方が妊娠している可能性があるということです。

ですので、妊娠していることを意識し、カフェインを含む飲み物は控えたり、喫煙やアルコールも避けるようにしなければいけません。